2020/08/19
8月19日はハイグレの日!!
こんにちは!
皆さんいかがお過ごしでしょうか?私は相変わらず絵の練習ばかりです。
ゲームの作成は申し訳ないのですが、余裕が無いため止まってます。
さて、本日8月19日は何の日かわかりますか?
そうです。ハイグレ(8190)の日です。ハイグレ好きの職人さんたちがいろいろな作品を投稿して楽しむ日となっております。今から楽しみですね・・・。
もちろん私もハイグレの職人なので作品を提出させてもらいます。何をするのかというと・・・。
絵やゲームも考えたのですが、さすがに余裕がなかったので今回は前からやってみたかった短編の小説を書かせてもらいました。ちなみに初めて書かせてもらいました。
今回の小説は今度作ろうと思っている魔法少女のハイグレゲームのプロローグ部分となっています。
少しでもお楽しみいただけたら幸いです!
小説の部分のあとにあとがきも書いてあるのでそちらもぜひどうぞ!
なお題名はまだ未定です・・・・。
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「ねえ、ハイグレキングダムって知ってる?」
突然彼女は机に座っている赤髪の少女フィルに問いかけた。
フィルはビックリした表情で反応したが、休み時間で少々考え事もしていたこともあり少しまごついていたようだった。
「いや、知らないけど」
「知らないなら、教えてあげるよ!ハイグレキングダムっていうのはね・・・・・・・」
そういうと彼女は得意げな顔で長話を始めたのだった。
ハイグレキングダム・・・
彼女の話では最近突如現れたテーマパークらしい。そこは遊園地でもデパートでも運動場でもなんでも取り揃えているすごい所らしい。
そして信じがたい話だが、そのテーマパークは空中に浮いているため世界中どこでも移動ができるのだと彼女は話していた。
「あとこれは噂なんだけどね・・・・・・」
「・・・・・・そんなわけないじゃん」
フィルはその話を聞くとすぐに反応した。それもそのはずである。
「キングダムの従業員は全員ハイレグ水着を着ている女性らしいよ」
今時そんな恥ずかしい恰好を人前でするわけないと、フィルは少し引いたような表情をした。
「そしてビックニュース!今日ハイグレキングダムがこの町に来たのよ!」
彼女は声を張り上げフィルにそう言った。
「えっ?本当に?」
「うん!実は私、もう見たんだよね。本当に浮いてたよ!どういう原理なんだろう?」
彼女は目を輝かせていた。そして、フィルはこの後に言われる言葉がわかっていたようだった。
「今日の放課後一緒に行こうよ!」
「言うと思った。でもごめん、今日は外せない用事があるの。」
「用事?あっ、そうか。」
フィルは人付き合いはよく基本的には誘われば必ず来てくれる子である。そのフィルが誘いを断るほど大切な理由が今日はあった。
「じゃあ、今日の放課後に他の友達と行ってくるね」
「本当にハイグレ水着だったか教えてね」
そしてチャイムが鳴り二人の何気ない会話は終了したのだった。
そして放課後・・・・・・。
フィルは足早と教室を後にし、町はずれの墓地へと向かった。
「もう6年になるんだね」
フィルは一つの墓の前に立ち、ペンダントを握りしめそう呟いた。涙こそこぼれていなかったが、とても悲しそうな眼をしていた。
「私はあなたとの約束通り魔法少女をちゃんと続けてるよ」
この墓標はフィルの親友のもので、彼女もまた魔法少女だった。そしてこのペンダントも彼女の形見である。
魔法少女とは、この世の悪を影から退治する、女神に選ばれ特殊な力を授かった少女たちのことである。この世界に何人存在するかはわかっていないらしい。
フィルは小さいころから数々の経験をしてきたため、学生の身でありながら魔法少女としての実力はベテランの領域に達している。そんなフィルが彼女を亡くしたのはまだ半人前だったころのことである。フィルが彼女と共にとある悪を退治していたとき、フィルのミスにより彼女は瀕死の重傷を負い、そのまま帰らぬ人となってしまったのだった。
そして、彼女は亡くなる前にフィルに魔法少女を続けて欲しいとお願いした。
フィルは嘆き、悲しんだ。その後フィルはこのような気持ちを二度と味わいたくないため友を作らないようになった。外面的には親しく接してはいるが内面的には友をただの知り合いと称しているのだ。
休み時間に話していた彼女もフィルにとってはただの知り合いである。フィルはそうやってこの6年間生きてきたのだった。
「そういえば、ハイグレキングダムっていうのがこの町に来てるらしいよ」
フィルは彼女に語り掛けるようにいろんなことを話し続けた。
そして、しばらくして・・・・・・。
「じゃあ、そろそろ行くから、また来るね」
日が落ち、周りがすでに真っ暗になっていた。魔法少女の活動で夜道も慣れているのかフィルはゆっくりとその場を後にしたのだった。
次の日学園にて・・・・・・。
「(あれ、委員長今日来てないんだ。キングダムの話聞きたかったんだけどな)」
フィルはチャイムが鳴りそうなのに登校してこない彼女を心配した。そしてなぜか少し不安な感じがしたのだった。
フィルの予感は的中した。先生が入ってきて不思議なことを言ったからである。
「今日も全員いますね、皆さん授業を始めますよ」
「(あの子が来ていないのに何を言っているんだろう、先生は・・・・・・)」
「先生!委員長の彼女が来ていませんよ」
フィルはすかさず先生に彼女のことを尋ねた。すると・・・・・・。
「誰ですか、その子は?別のクラスの子ではないですか?」
フィルはしばらく唖然としてしまった。
「いや何言っているんですか、このクラスで委員長やってたじゃないですか!」
「このクラスの委員長はあなたですよ?急にどうしたのですか?
先生も不思議そうな顔で返答した。他の学生もフィルをクスクスと笑っていたのだった。
「さあさあ!授業を始めますよ!」
先生がみんなを宥めるとそのまま授業が始まったのだった。
「(何がどうなっているの?もしかして何か起こっているんじゃ?)」
フィルは放課後になるとすぐに彼女の家に向かった。そこでもまた驚愕したのだった。なんと彼女の家が消え空き地になっていたのだ。
「ここにあった家はどうしたんですか!?」
訳が分からなくなりフィルが近所の人に尋ねると、
「ここに家なんかなかったですよ、ずっと前から空き地ですけど・・・・・・」
フィルは確信した、何かが起こっていること、そして彼女の存在が消えてしまったことを。そして自分だけが覚えていることを。
フィルは近くの林の中ですかさず赤い姿の魔法少女に変身した。そしてすぐにある場所に駆け出したのだった。
「ハイグレキングダム・・・・・・あそこで何かあったに違いない!」
変身し身体能力が向上したフィルはあっという間にキングダムへたどり着いた。
フィルが空中のハイグレキングダムの近くに着くと、大きな看板に張り紙が貼ってあった。
「「ハイグレキングダムへようこそ!本日は調整のためお休みです。
また後日お越しくださいませ! 支配人アインロード」」
「休み?行方不明の子が出てるのに・・・・・・、こうなったら乗り込んでやる」
周りは日が落ちて暗く侵入するにはもってこいの時間だったのもあり、誰にも見つかることなく先に進むことができた。
「空中に浮いてるのがやっかいね、さすがにジャンプしても届かないよ」
フィルがどうしようか悩んでいると、近くの装置から急に音が鳴り始めた。
彼女は急いで身を隠すと、装置から何者かが転送されて町の方へ向かっていった。
「(薄暗くて誰だったかわからないけど、どうやら転送装置っていうものらしいね、この世界の技術じゃないよ)」
この世界の裏の多くを知っているベテランの彼女でもこれほどの技術は見たことがない。それほどの高度な技術を目の当たりにし、フィルは少し身震いした。恐怖もあったが、どのような連中がこれほどの技術を作り出したのか少し興味があったからだ。
「ありがたく利用させてもらうよ」
フィルは転送装置に乗った。そして装置が起動しハイグレキングダムへと向かったのだった。
「ここがハイグレキングダム・・・・・・遊園地、レジャー施設、デパート、本当になんでもあるよ」
転送された場所は周りがいろんな施設に囲まれている街中のようなところだが、雰囲気は人っ子一人いない廃墟のような感じだった。
「とにかく彼女を探そう」
「グレ・・・・・・」
フィルが動き始めようとしたとき、遠くから何か声が聞こえた。
「よく聞こえないけど、何か声が聞こえたような?とにかく行ってみよう」
フィルが近づくたびに声がはっきりと聞こえ始めた。
「ハイグレ・・・・・・ハイグレ・・・・・・」
「ハイグレ?ハイレグのこと?」
聞いたことのない言葉、フィルは少し不気味に感じた。そして、なんだか少し臭った、嗅いだことのない変な臭いで正直いい気分ではなかった。
フィルが少し広めの広場にたどり着くと思わず唖然としてしまった。
「「ハイグレッ!!ハイグレッ!!ハイグレッ!!」」
なんと、ハイレグ水着を着た女性たちが妙なポーズをひたすら繰り返し、先ほどの言葉を繰り返し叫び続けていたのだった。
「こ、これは一体!?何をやっているの、こんなところで」
フィルは少し引いてしまった。それもそのはずである。何人かの女性が自慰をしているためである、それどころか絶頂し愛液を垂らしている者もいたのだった。
「さっきの臭いはこれ?見てられない、ひどすぎる・・・・・・」
フィルがその場を立ち去ろうとすると一人の女性が目に入った。
「え?あの子って・・・・・・委員長!?」
そのハイレグ水着を着た女性は何度見ても委員長にそっくりなのだ。前日にハイグレキングダムに行くと言った、行方不明になっていた彼女に。
「ちょっと!委員長!こんなところで何やってるの!」
フィルが問いかけるが、彼女は返事もせず、虚空を見つめ、涎をたらし、股間をビショビショに濡らし、不気味なポーズをとり続けていた。
「あ”っ・・・・・・♡」
彼女は急に動きを止めた。それを見てフィルはまた引いてしまった。絶頂しているのである彼女が、あの真面目で友達思いの委員長が、ハイグレという訳の分からない言葉とポーズをしながら股間から大量の潮を吹いているのである。
フィルは後ずさりした。この子はもうだめだ。そう思ってしまった。すると・・・・・・。
「ピギャー!!」
いきなり獣のような声がした。
「!?」
突如、暗闇の中から謎の生き物が現れた。
「動物?見たことがない生き物だわ、この世界の生き物とは思えない」
その姿は動物のようではあるがどこかファンシーな雰囲気を漂わせる生き物だったのだ。
「あぁん♡ハイグレ魔獣様!!」
周りの女性たちがその生き物をそう呼んだ。
「(ハイグレ魔獣?やっぱり聞いたことがない、ここは逃げたほうがいいかも)」
フィルは危険と感じたのかすぐにこの場を離れようとした。すると魔獣は目からピンク色の光線のようなものを発射し襲い掛かってきた。
フィルはとっさにしゃがみ込み回避することに成功した。
「危なかった、もう少しで当たるところだった・・・・・・・」
魔獣は光線を連続で撃ってこず、驚いたような感じでその場に立ち尽くしていた。
「どうやら連射はできないみたいだね」
接近戦の得意な物理型魔法少女のフィルは魔獣に一気に近づき華麗な連撃を決めた。
「ピギャー!!」
魔獣は倒れ込んで動かなくなった、どうやら気絶したように見えた。
「どうやら私の力でも通用するみたいね、安心したよ」
すると・・・・・・。
「よくもハイグレ魔獣様を!!許さないわ!!」
先ほどからハイグレと叫んでいた女性たちが急に怒り狂いだしたのだ。
「えっ!?待ってください!!私は皆さんを助けに来たんです!!」
フィルが必死に訴えるが、彼女たちは聞く耳も持たずに迫ってきた。
「早くアイン様に連絡を!!この女を捕まえて公開洗脳してやるわ!」
彼女たちの目は正気ではなかった、まるで洗脳されてしまったかのような変貌だった。
「覚悟しなさい!!このクズが!!」
フィルは耳を疑った。今の発言は委員長が言ったのである。
「(どうしちゃったの、委員長・・・・・・)」
「逃げたわ!!追いかけるのよ!!」
フィルはたまらずその場を後にしたのだった。
「どうやら逃げ切れたみたい・・・・・・」
広場からかなり離れた小屋の影で隠れると少し安堵の表情を浮かべ地べたに座り込んだ。
しかし、フィルは先ほどのショックが抜けきれなかった。あの委員長がフィルに対して牙を剥いてきたからである。
「どうしてこんなことに・・・・・・」
助けようとした相手に拒絶される、魔法少女になって数々の人を助けてきたがフィルはそんなこと体験したことはなかった。
「(助けないと、みんなを・・・・・・)」
魔法少女としての使命なのかフィルは心の中でそう呟いた。
「(キングダムの中にもしかしたら元に戻す方法があるかもしれない)」
彼女たちは明らかに操られた感じだった。フィルはすぐに立ち上がり行動に移ろうとした、
すると・・・・・・。
「ドゴッ!!」
近くで何かを殴ったような鈍い音がした。
「今度は何・・・・・・?」
あまりにも予期しないことが連続で起こりフィルは少し困惑していた。
「やめてください!!」
「もう一度聞くわ!あなたみたいな子がこんなところに何しに来たの?」
どうやら何かもめているらしい、しかも広間の真ん中で大きな声を上げている。
周りは真っ暗だったが、広場はそれなりに明かりが燈っていたため、フィルは何とか姿を確認することができた。
「(人間?どうやら2人いるみたい・・・・・・それにあの姿、魔法少女!?)」
怒鳴っている方は黒色の魔法少女でその相手は青色の魔法少女、服装が独特なので間違いないだろう。
「私は・・・・・・友達を・・・・・・探しに・・・・・・」
青い子がかろうじて聞こえるくらい小さな声で言った。
「友達ですって!?ご苦労なことね!そんなことのためにここに乗り込んだの?」
黒い子がここら一体に響き渡るくらい大きな声で言った。
「そんなことって・・・・・・」
「言いたいことがあるならはっきり言いなさいよ!!」
「・・・・・・・」
青い子が黙り込んでしまった。
「あなたみたいな子を相手にしても時間の無駄ね!さっさと帰ったほうがいいわ!もっとも奴らが素直に返してくれるとは思えないけどね」
「・・・・・・」
「ちょっと!そこの二人!」
フィルはさすがに合流することにした。青い子が少し不憫だと思ったこともあるが、黒い子があまりにも無警戒すぎるからだ。
「何よ?もしかしてあなたも魔法少女?」
黒い子が睨みながら聞いてきた。
「そうだけど、さっきから聞いてたらあなた達少し無警戒すぎるんじゃない?ここは危険な場所だよ!」
フィルは当然忠告した。
「ご、ごめんなさい・・・・・・」
「あなたに言われる筋合いはないわ!」
フィルは少し溜息をしてしまった。あまりにも未熟すぎると心で思ったからである。
「とりあえず自己紹介するよ、私はフィル。あなたたちは?」
「は、はい・・・・わ、私はメル・・・・・・です」
「まあ、自己紹介くらいはいいわ!私はルカよ」
青い子はメル、黒い子はルカという名前らしい。そしてフィルはすぐに言った。
「じゃあ、すぐにこの場から離れるよ!急いで!」
「え・・・・?でも・・・・」
メルはなぜかわかっていなかった。
「あのね、さっきルカが大声で怒鳴っていたでしょ?すぐに敵がここに駆けつけてくるよ」
メルはようやく納得感じだった。
メルの鈍さにフィルはかなり心配になった、大丈夫か?と思わず言ってしまいそうだった。
「行きたいならあなた達で行きなさい、私は一人で行くから」
そう言うとルカがフィルたちとは反対方向に歩き出そうとした。
「いや、何言ってるの?こんな危険なところを一人で、3人で行動した方がいいよ」
フィル自身も一人で来た身だが、ここがこれほどまでに得体のしれない場所だとは予想できていなかった。こんな危険な場所に一人で、それもこんな半人前を一人にするのはさすがにできなかった。
「私は群れるのは嫌なの!今までだってずっと一人でやってきた!これからもそう!」
「仲間なんて信じない!友もいらない!私は自分しか信じていないわ」
ルカはフィルたちを睨みつけながらそう言った。
「あのね、今まであなたがどういう経験をしたか知らないけど、意地張ってる場合じゃないと思うよ?」
「そうですよ・・・・・・。みんなで行動した方が・・・・・・」
「私に指図しないで!ほら!早く行きなさいよ!敵がやってくるんでしょ?」
さすがのフィルも少し面倒臭くなってしまった。
ルカがこの場を離れようとしたとき・・・・・・。
「おんやぁ~、まだここにいたんですねぇ~」
突如何者かの声がした。
「だ、誰よ!?」
ルカはすぐに身構えて戦闘態勢に入った。
「ルカ!後ろ!」
フィルはすぐに気づいた。ルカの後ろに何者かがいることを。
「くっ!」
ルカが振り向かずに蹴りを入れた。しかし命中しなかった。謎の人物は華麗に宙に飛び上がり回避したのである。
「これはこれは。いきなり蹴りを入れようとするなんて、ひどいお方だ」
3人は謎の人物の姿を見て驚愕した。
なんとその姿は先ほどフィルが戦った魔獣と似た姿をしていた。だがさっきとは違い足もあるし手も髪も生えている。そして、とても小柄なのだ・・・・・・フィルの身長の半分もないだろう。さらに大きな特徴として半分近く欠けた黄色と青の仮面をし、欠けた部分からは仮面の下の顔があらわになっていた。
「だ、誰ですか・・・・・、あなたは・・・・」
メルが精一杯の大きな声で問いかける。
「これは失礼。私(わたくし)はアインロード、ハイグレ魔獣の首領でここの支配人ですよ。みなさんは団長って呼んでますけどね。以後お見知りおきを。」
丁寧な口調だがどこか慇懃無礼な感じがする、フィルはそう感じた。
「支配人ですって!?丁度いいわ!あなたたちの目的を教えてもらうわよ!」
ルカがアインロードにすぐさま問いかけた。
「目的ですか?そうですねぇ~。ちょっと探し物をしていましてね。実はこの次元にあるらしいのですよ」
この発言をフィルは聞き見逃さなかった。
「(この次元!?ということはやっぱり別の次元からやってきたので間違いなさそうね)」
フィルはかなり嫌な予感がした、もしかしたら首を突っ込んではいけなかったのではないのかと・・・・・・。
「探し物?それは一体何?」
ルカがすかさず追及する。
「それは私の仮面のかけらですよ、ずっとこれを探しているのですが見つからなくてですね~」
「か、仮面ですか・・・・・・そういえば半分近く欠けてますね。いつからなくしたんですか?」
メルがそう問いかけると。
「私は仮面をつけていた昔の記憶がないのですよ。だからいつからかはわかりませんねぇ~」
「でも、そのかけらが私達の世界にあると・・・・・・?」
「そうなのですよ!よく聞いていましたね!やはり赤いあなたはかなりの手練れのようだ」
一瞬アインロードが警戒したように見えた。
「というわけなので仮面のかけらを探し出したらすぐに私達は撤退するので、どうかお気になさらず、普段の生活続けてください」
「待って!あなた達あのハイレグ水着を着た人たちをどうするつもりなの!」
当然だがフィルはすぐに問いかけた。
「ハイグレ人間ですか?彼女たちは我々と一緒に来ていただきますよ。いやね、私達も人手が足りなくて困っているのですよ」
アインロードがニヤニヤしながら返答した。フィルはさすがにイラっとした。
「何言ってるの!一緒に連れていくってことは別次元に彼女たちを誘拐するってことでしょ!そんなこと許されると思ってるの!」
ハイグレ魔獣の勝手な行動にフィルが大声で怒鳴った。
「いやいやいや!だからみなさんの記憶から彼女たちを消しているではありませんか!さすがにそのまま連れていきはしませんよ」
「記憶を消した・・・・・・?私の友達が消えたのはあなたが原因だったの・・・・・・?」
珍しくメルが大きな声で驚いている。
「おやおや、これは申し訳ないですね。どうやらあなたたちは私の力が及ばなかったようだ」
「これは仕方ないですね、ではあなた達も一緒に来ていただくしかありませんね~」
その言葉を聞いた瞬間フィルはとっさに身構えた。
「怖がることはありませんよ!ハイグレ人間になれば永遠の快楽が待っているのですからね」
フィルは先ほどの委員長たちの姿を思い出し、ゾッとした。あんな変態同然の姿になって永遠に生きるなんて、絶対に嫌だと心の底から思った。
「ハイグレ人間だか何だかわからないけど、あなたの思い通りになると思わないで!私が倒してやるわ!」
ルカがアインロードに挑もうとしていた。しかし・・・・・・。
「いや~、申し上げにくいのですが、今のあなたでは私には勝てないと思いますよ?試してみます?」
「いいわ!その減らず口を黙らせてあげる」
「あなたよりもそちらの赤い方の方がよほど強そうに見えるんですけどね~」
ルカがアインロードにとびかかろうとした。
「ダメ!ルカ!抑えて!」
フィルがルカをとっさに抑えつけた。
「離せ!こんな奴私が一人で!」
「冷静になって!相手の力量もわからないの?」
フィルが必死に説得するがルカは聞く耳を持たない。
「仕方がない・・・・・・。ごめん!」
フィルがルカに当て身をする。
「な、なにを・・・・・・」
ルカは気を失ってフィルの胸の中に倒れこんだ。
「やはりあなたはかなりの手練れのようですね~、これは私も油断できませんねぇ・・・・・・」
「フィルさん。どうするんですか?このままじゃ」
メルが不安そうな口調でフィルに問いかける。
「逃げるよ!本気で、全力で逃げるんだ!」
「でも・・・・・。この人が逃がしてくれるかどうか・・・・・・・」
メルの言葉はもっともだった。この状況で逃がしてくれるとは到底思えない。メルにルカを託して、食い止めるべきか・・・・・・。そう思ってフィルが覚悟を決めようとしたとき。
「あっ!私は構いませんよ?その方が面白そうですしね。逃げたければどうぞ」
アインロードの言葉にフィルは唖然とした。
「どういうつもり?私達を逃がすの?」
「いえいえ、私は基本的には手を出されなければ何もするつもりはありませんので。まあ、赤いあなたはうちのハイグレ魔獣に怪我を負わせてしまったようですが、今回は特別に見逃しますよ」
フィルは一瞬アインロードから何か嫌な感覚を感じた。殺気ではなかったが怒りのような感覚だった。
「あいつもそういってるんだ!ほら!行こう!」
すぐにアインロードから離れようとした。
「わ、わかりました・・・・・・」
二人がルカを抱えて立ち去ろうとする、
すると・・・・・・。
「そこの赤いお方、ちょっとよろしいですかね?」
アインロードがフィルに話しかけてきた。
「あなたはその仲間たちのことどう思っているのですか?」
「どういう意味?」
アインロードがよくわからない質問をする。
「いやね、私は会話をすれば相手の感情が大体わかるんですよ。あっ!心の声が聞こえるわけじゃないですよ」
「そこの黒い方は何やら友や仲間に対して強い憎しみにあふれていましたねぇ」
「しかし、あなたはどうです?あなたは先ほどから2人を助けようとしているようでしたが、あなたからは仲間に対して拒絶の感情を感じるんですよねぇ」
「なんといえばいいですかね・・・・・・、黒い方とは違った・・・・・・・そう、まるで他人と関わることを恐れているような」
「あなたはどうやら過去に何かあったようですねぇ・・・・・・、おっと失礼、余計な会話でしたかね?」
フィルは返す言葉が見つからなかった。
「フィルさん急がないと!」
少し先に行っていたメルが戻ってきた。
「ごめん!行こう!」
フィルは質問の返答をせず走り出した。そして、急ぎ薄暗い路地裏に姿を消したのだった。
「さて、行きましたか・・・・・・、まあ、おそらくまた会うことになるでしょうけどね。」
「次に会うときはハイグレ人間となった彼女たちか、それとも・・・・・」
「いや~楽しみですね~!あのバラバラの3人が今後どうなるか見ものですよ~」
「では、私はのんびり待つとしますか、その時まで・・・・・・・」
そうつぶやくと、アインロードは闇の中に姿を消した・・・・・・・
続く・・・・・・
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・あとがき
お疲れさまでした!いかがだったでしょうか?
今度作成するゲームはこんな感じのストーリーとなっています。
実は自分は今までの作品は「絆」をテーマに作ってきました。ドライブやオリジンは魔法少女と女神の絆をテーマに作っていました。
今回の作品は「絆、信頼、仲間」をテーマに作って行こうと思っています。
完成はまだ先ですが、ストーリーの内容はほとんどできているのであとは作るだけです。
ちなみに敗北シチュエーションは全く思いついておりません!
もしかしたらハイグレ基地より先に作る可能性があるかもしれません・・・。本当に申し訳ない・・・。
今回もツクールで作成するのでお楽しみに!
ここまでお読みくださってありがとうございました!

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コメント
No title
ハイグレキングダムという謎のテーマパーク…ここからどんな物語が生まれるのか楽しみです
洗脳された人間は存在まで抹消されてしまう…
表と裏の顔があるヘンダーランドと似た雰囲気を感じますね…
またムゲンさんの得意とする異次元との繋がりも存在しているようでワクワクが止まりません
アインロードさんの探し物とは…3人の魔法少女の運命は…洗脳されたら永遠の快楽と引き換えに連れ去れてしまうのか…
ゲーム版も楽しみにしています!
2020/08/19 13:16 by ぬ。 URL 編集
返信
ありがとうございます!
この話は前から考えていたものなのですが、はっきりと内容が決まっていなかったのです。それで今回内容をまとめる意味もあってSSを書かせてもらいました!
ヘンダーランド・・・。懐かしいですね・・・。
意識はしていませんでしたが、確かに似ているかもしれません。
今後の展開にかかわる伏線もいろいろ入れたのでお楽しみに!
2020/08/19 21:56 by ムゲン URL 編集
No title
敵も味方も過去を引きずるとっかかりがあって今後の展開がめっちゃ気になるやつ…いろんな方向(グッドもバッドも)へと展開していきそうな期待感があってまさにハイグレゲームの序章然としてるのはさすがムゲンさんやでえ…(*´д`*)ノシ そしてこういう時にまず脇役の安否が気になる0106は委員長ちゃんがどう本筋に絡んでくるのかを気にしつつ今宵はこのへんでではではー!
2020/08/19 23:41 by 0106 URL 編集
返信
ありがとうございます!
今回はキャラクターの掛け合いや心情の変化も重点的においていくのでお楽しみに!
委員長さんは登場するのか!?こうご期待!
2020/08/19 23:50 by ムゲン URL 編集
No title
スピード感あって読み易かったですよ。
プロローグと書いてあったから軽い触りなのかと思いきや、ハイグレ人間にハイグレ魔獣、そしてラスボスと思われるアインロードまで登場してきて怒涛の展開でしたね。
初対面でちぐはぐな魔法少女トリオを見下ろす構図なんか、長編アニメの第一話見てるようなドキドキ感に胸躍りましたよ。
今後彼女達がどう成長していくのか、そしてハイグレ化した場合がどうなっていくのか、ハイグレ物語としてもそうですが正統派魔法少女物語としての完成度の高さが伺えてメッチャ楽しみになりました!
2020/08/23 01:46 by 牙蓮 URL 編集
No title
個性豊かで一癖も二癖もある魔法少女たちがどう団結して、アインロード率いるハイグレキングダムにどう立ち向かっていくのか、
といった点で非常に続きが気になってしまうプロローグでした。
なんといっても登場人物の誰も彼も尖った性格をしており、ムゲンさんのキャラ造形の巧さを感じます。
現時点で垣間見えている過去の因縁の部分についても、今後どのようにキャラ同士がぶつかり合い、中身が掘り下げられていくのかが楽しみになりました。
文章面では、さすがにゲームを作られているだけあってセリフの流暢さや個性ある口調が書けていることは素晴らしかったです。
しかし逆に、セリフで全てを語りすぎていて地の文の必要性が薄れている(=セリフか地の文のどちらかを削ってよい)箇所が見受けられました。
他にも今回採用していた三人称一視点の書き方や、人称や時制に沿った適切な文章表現を行うこと、近い位置で重複表現は避けることなどを意識できるようになると、より洗練された地の文が書けるようになると思いました。
(例えば三人称一視点についてはこのあたりが短めで分かりやすかったです)
https://www.scenario.co.jp/online/21803/
https://www.scenario.co.jp/online/22055/
初の三人称小説でこれだけ書けているからこそ、技術を磨いたらもっと上手くなるはずなので老婆心ながら伝えてみました。
執筆お疲れ様でした。本編制作の方も頑張ってくださいー
2020/08/23 11:43 by 香取犬 URL 編集
返信
ありがとうございます!
自分もプロローグなのに中々ボリュームたっぷりかもしれないと思ってましたね。
でも全体的な内容から見たらやはりここまでをプロローグにするのがちょうどいいかなと思いました。
ゲーム完成はまだちょっとかかりそうですが、お楽しみに!
2020/08/23 16:27 by ムゲン URL 編集
返信
ありがとうございます!
今回は自分の好きな性格や展開を沢山取り入れて作っていこうと思っています。
ゲームの完成は絵の関係上まだ先にはなりますが、お楽しみに!
文章面のアドバイスありがとうございます!
確かに自分もセリフで語りすぎてないかとは思っていましたね。
今回はいろんな方々の小説を参考に自分なりに書いてみたのですがやはり地の文をうまく書くのがちょっと難しくて苦手ですね・・・。どうしてもその状況を一回一回説明している感じの表現になってしまうんです・・・。
~はそういった。
セリフ
~はすかさずそう反論した。
みたいにセリフを書いていれば書かなくてもいい地の文を書いてしまうんですよね・・・。
これは今こういう状況だと伝えたいためにやってしまうという理由以外にも自分が適切な表現を知らないのもありますね。
香取犬さんの小説を参考にさせてただいた時、自分の知らない言葉とかが沢山あったので・・・。やはり言葉の勉強不足なところもありますね。
自分もまた機会があれば小説を書いてみたいと思います!
もしかしたら新しいゲームを作るたびにプロローグは小説にするかもです。
サイトまで教えていただきありがとうございました!
2020/08/23 16:42 by ムゲン URL 編集